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坪内 雅明; 熊田 高之
no journal, ,
分子がかかわる衝突反応は分子の相互配向に非常に敏感であり分子軸固定系での観測が望まれる。そこで分子軸を空間に固定する試み、すなわち「分子軸整列」の実現を目指して、高強度THz光パルス列を用いた手法を提案し、数値計算により検討した。全パルス強度が同じでもパルス分割してパルス列化した方が高い整列度が実現され、パルス列の有用性が示された。
田中 亮平*; 秀島 伊織*; 箕浦 佑也*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
no journal, ,
本研究ではGe系電子デバイスの電界効果トランジスタにおけるHigh-/Ge界面反応の抑制を目的として、極薄AlO膜を挿入したHfO/AlO/GeO/Geスタックを作製し、放射光光電子分光法による構造評価並びに電気特性評価を行った。比較として、1nmの金属Hf膜をGe基板上に直接堆積後、300Cでプラズマ酸化を施したPt/HfO/GeO/Geスタックも作製した。AlO界面層を挿入することで、界面GeO層の薄層化に加え、Hf-Ge結合の形成が顕著に抑制された。また、Pt/HfO/AlO/GeO/Ge構造では、周波数依存性のほとんどない良好なC-V曲線が得られ、0.56nmの極薄EOTを実現した。極薄AlO界面層はHf-Ge結合の形成を効果的に抑制し、High-/Geスタックの電気特性向上に有用であると結論した。
近藤 正人; 熊田 高之; 坪内 雅明
no journal, ,
溶液のテラヘルツ(THz)分光実験では、試料保持に用いる窓材がTHz波形に与える影響が度々問題となる。そこで本研究では、流体力学の分野で知られる液体薄膜(液膜)を応用し、窓材を用いない新しい溶液測定法の開発を行った。今回、二本のノズルから射出した液体ジェットを交差させることで液膜を生成する装置を作成した。この装置では、ノズルの交差角度の調整により容易に液膜の厚みを変えることができるため、さまざまな系の測定に応用できる。本装置の動作試験として、さまざまな交差角度にて生成させた水の液膜透過後のTHz波形を測定した。水の屈折率と吸収係数の報告値から膜厚を評価した結果、本装置では50-120mの範囲で膜厚を調整可能なことが確認された。
岩井 優太郎*; 寺岡 有殿; 岡田 隆太; 吉越 章隆
no journal, ,
Niの極薄酸化膜の形成制御と酸化反応機構の解明を目的とし、超音速酸素分子線を用いてNi(001)表面を酸化し、表面酸化状態とその酸素並進運動エネルギー依存性をその場放射光光電子分光法で観察した。酸素供給量ゼロにおける酸素吸着曲線の傾きから評価した相対的な初期酸化速度を比較すると、バックフィリング酸化の場合が最大で、分子線酸化では並進運動エネルギーを大きくするとおおむね1.5eV以上では初期酸化速度が減少する傾向が見られた。バックフィリング酸化の吸着確率が分子線酸化のそれより大きいという結果は、物理吸着状態を経由した解離吸着機構を示唆している。分子線酸化における活性化吸着の有無については、0.3eVから1.5eVの領域で初期酸化速度の並進運動エネルギー依存性に極大が明確でないことから、今後、0.3eV以下の領域での振る舞いを明らかにする必要がある。
橋之口 道宏*; 岡田 美智雄*; 津田 泰孝*; 牧野 隆正*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
これまでの研究でCuAu(110)の方が(001)面より酸化反応の反応性が高いことがわかっている。本研究では、観測された面方位依存性の要因を明らかにするため、超熱酸素分子線及び放射光X線光電子分を用いて、CuAu(110)表面酸化反応の表面温度依存性を調べた。400Kでは、酸化反応により表面下のCu原子が表面へ効率よく析出する。また、酸素吸着曲線から、400Kで酸化反応効率が高くなることが示された。これらの結果は、(110)表面では、Cu原子の表面へ拡散が酸化反応において重要であることを示唆している。
大野 真也*; 安部 壮祐*; 三浦 脩*; 成重 卓真*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 安田 哲二*; 田中 正俊*
no journal, ,
Si電子デバイスの3次元MOSFET構造においてはさまざまな面方位のSiO/Si界面が存在する。このため、Si高指数面上に形成される極薄酸化膜の構造や電子状態のより詳細な理解が求められている。これまでに、熱酸化過程の解析からSi2p状態とO1s状態とを同時に解析することによりSiO/Si界面 におけるSi-O-Si歪みの評価が可能になる結果を得ているが、Si高指数面の初期酸化反応のメカニズムについてはまだよくわかっていない。本研究では、SPring-8のBL23SU表面化学実験ステーション(SUREAC2000)において、酸化過程のリアルタイム光電子分光実験を行った。Si高指数面のうち、Si(113)面に絞って初期酸化反応を調べた結果を報告する。酸化の最初期(2.4L)の時点までにバンドベンディング変化量(BB)が急激に変化することを見いだした。
濱本 悟*; 山口 憲司; 北條 喜一
no journal, ,
高真空下でのスパッタエッチング(SE)による基板前処理を併用したイオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法によって、Si(100)基板上に高配向した-FeSi薄膜を得るためのSE条件(入射エネルギーや照射量)と成膜温度の影響を検討し、これまで、973Kと923Kで高配向膜を作製する条件を見いだした。しかし、蒸着時間(蒸着速度)の影響についてはまだ不明である。そこで、一定のSE条件、成膜温度の下で、薄膜の配向性と蒸着時間の関係を調べ、蒸着速度が薄膜成長に与える影響を議論した。その結果、総じて蒸着速度が高い場合、973Kでの成膜時に問題となる高温相で金属的な-FeSi相の生成が回避できることがわかった。また、蒸着速度が低くても、SE処理の照射フルエンスが小さければ、同様に相の生成を回避できることもわかった。
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
no journal, ,
汎用電子顕微鏡に搭載される従来の回折格子を用いた波長分散型分光器の分析エネルギー範囲(2002000eV)を拡張し、504000eV領域の発光スペクトルを高効率・高分解能計測できる平面結像型回折格子分光器を実用化し、リチウムイオン二次電池や太陽電池材料等の機能性物質におけるナノスケール空間での構造評価とその化学状態分析を実現する分光システムを開発した。本研究では、当該領域を四分割((1)50200eV, (2)155350eV, (3)3002200eV, (4)20004000eV)し、それぞれの領域に最適化したラミナー型不等間隔溝ホログラフィック回折格子を一つの共通する分光器にシームレスに搭載できるように設計した。特に、(4)24keV領域用として、一定入射角でも全エネルギー領域で一様に高い回折効率を示す新型のワイドバンド多層膜回折格子を開発した。本発表では、回折格子の設計・製作、放射光による回折効率測定、レーザープラズマ光源による分解能測定について述べる。
倉島 俊; 宮脇 信正; 奥村 進
no journal, ,
サイクロトロンではイオンの加速に数十MHzの高周波電圧を用いるため、加速後のビームは時間構造が同じ周波数の連続パルスである。放射線化学におけるパルスラジオリシスの実験や、ターゲットから発生する二次粒子の飛行時間計測実験などでは、マイクロからミリ秒の繰り返し周期の長いパルスイオンビームが求められる。サイクロトロンの上流側と下流側に設置した2台のビームチョッパーを併用してビームパルス数を大幅に間引き、シングルパルスビームを形成するため、サイクロトロン磁場高安定化やビーム加速位相・位相幅の高精度制御などの技術を開発した。これらの技術開発の結果、プロトンから重イオンビームまで様々なイオンビームについてシングルパルスビームをユーザへ定常的に提供することが可能となった。
圓谷 志郎; 松本 吉弘; 大伴 真名歩; Avramov, P.; 楢本 洋*; 境 誠司
no journal, ,
近年、グラフェンなどのナノカーボンを用いたスピントロニクスが注目されている。これらの材料ではスピン-軌道相互作用が小さいことからスピン拡散長が増大し、その結果高いスピン輸送特性の実現が期待されている。グラフェンは単原子層の物質であることから、素子作製の際には一般に絶縁体基板上に保持される必要がある。今回、グラフェン/磁性金属界面の相互作用を評価するため、超高真空中で清浄なグラフェン/絶縁体界面を作製し、界面におけるグラフェンの振動状態や電子状態の変化を顕微ラマン分光により調べた。Cu(111)上にエピタキシャル成長したグラフェンの剥離・転写によりグラフェン/SiOを作製し、超高真空中でのアニールの後、グラフェン上に10nm以下のアルミナを成長した。作製した試料は大気中に取り出しラマン分光測定を行った。グラフェン層数によるGバンド2Dバンドのピークシフト挙動の変化からグラフェンと絶縁体との相互作用の様相を明らかにした。
坂口 佳史*; 朝岡 秀人; 魚住 雄輝; 川北 至信; 伊藤 崇芳*; 久保田 正人; 山崎 大; 曽山 和彦; Ailavajhala, M.*; Lativ, M. R.*; et al.
no journal, ,
アモルファスGeカルコゲナイド/銀の界面において光を照射すると拡散が促進される。非破壊かつ時間分解で観測できるJ-PARC(写楽)の中性子反射率測定を用いて、界面での拡散層の広がりを捉えることに成功した。フーリエ変換による拡散層の時間変化を基に拡散ダイナミクスについて議論する。
境 誠司; 新井 大二朗; 谷本 久典*; 大伴 真名歩; 圓谷 志郎; 松本 吉弘
no journal, ,
C分子が共有結合したCポリマーは特異な電子状態を持つことから、電気伝導性の上昇など通常のC膜とは異なる物性の発現が期待されている。C分子は光照射や高温高圧保持など種々の方法によってポリマー化することが知られており、中でも光照射法は作製コストやポリマー領域の制御といった点で有利である。しかしC膜への光の侵入長は数十nm程度であるため、従来からの成膜後に光照射を行う方法では、得られる膜厚が侵入長以下に制限されることや膜質の深さ方向への不均質が生じてしまう。本研究では成膜中にその場光照射することで厚さが300nmのCポリマー薄膜を作製し、X線回折(XRD), ラマン分光、及び原子間力顕微鏡(AFM)観察結果によりCの重合状態を調べた。さらにCポリマーを半導体層とする電界効果トランジスタ(FET)を作製し、電気伝導特性の評価を行った。
吉越 章隆; 岡田 隆太; 寺岡 有殿; 岩井 優太郎*; 山田 洋一*; 佐々木 正洋*
no journal, ,
Geは、高キャリア移動度を有することから次世代Siデバイスの代替チャネル材料として注目されている。Ge酸化物及びその形成過程の解明が重要となっている。本会議では、Ge(100)-21表面の室温酸化における酸素分子の並進エネルギーによる吸着プロセスの違いを初期吸着確率の測定から明らかにしたので報告する。実験は、SPring-8のBL23SUのSUREAC2000にて行った。0.1eV付近において吸着メカニズムが変わることがわかった。さらに、2.2eVまでの並進エネルギー実験で、少なくとも吸着バリアーが二つ存在することがわかった。
加道 雅孝; 岸本 牧; 刀祢 重信*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
レーザープラズマ軟X線源を光源とした"レーザープラズマ軟X線顕微鏡"は、100nm以下の高い空間分解能と1ns以下の高い時間分解能を持ち、生きている細胞の内部構造をそのまま観察することが可能である。我々は、開発したレーザープラズマ軟X線顕微鏡をこれまで様々な生命現象、特にプログラムされた細胞死であるアポトーシスの観察に活用してきた。正常な細胞におけるクロマチンは細胞核内に折りたたまれた状態で存在するが、細胞がアポトーシスを起こすと、核周辺へのクロマチンの凝縮が起こり、リング形状、ネックレス形状を経て、最終的に核崩壊にいたることがこれまでの透過型電子顕微鏡と蛍光顕微鏡を用いた研究でわかっている。しかし、それぞれのステージにおける細胞核の構造変化の詳細な機構についてはまだまだ不明な点が多い。我々は、その中でも特にアポトーシスの機構を理解する上で重要なリング形状からネックレス形状への構造変化を詳細に調べた結果について報告を行うとともに、細胞核の崩壊の機構について議論を行う。
大伴 真名歩; Avramov, P.; 圓谷 志郎; 松本 吉弘; 楢本 洋*; 山内 泰*; 境 誠司
no journal, ,
グラフェンはスピントロニクス材料として有望であるが、グラフェンへのスピン注入にはトンネルバリアを介したトンネル注入が一般的である。本研究では一般的に用いられる酸化アルミニウム・酸化マグネシウムよりも、成膜時のダメージが少ないバリア層材料として六方晶窒化ホウ素(h-BN)を提案し、その電子・スピン状態を最表面敏感なスピン偏極ヘリウム脱励起分光(SPMDS)により解析した。h-BNは本来5eV以上のバンドギャップを持つが、Ni(111)の3d軌道とh-BNの軌道の混成により、ギャップ内に準位ができていることが確認された。その結果h-BNはNi(111)上で金属的になっていた。さらにギャップ内準位のスピン依存バンド構造を調べた結果、Niの多数スピンの向きに偏っていることが明らかになった。また原子上水素を付加することで、電子状態が大きく変化することも見出した。これは水素化h-BNという、新たな物質である可能性がある。これらは六方晶窒化ホウ素をグラフェンへのスピン注入時のバリア層材料とするうえで、極めて重要な知見であると言える。
藤田 奈津子; 岩本 直也; 小野田 忍; 牧野 高紘; 大島 武
no journal, ,
原子力施設や加速器施設等において、線の線量率をリアルタイムでモニタリングすることは、施設の安全を保つ上で極めて重要である。一方、炭化ケイ素(SiC)は耐放射線性デバイスへの応用が期待され、高温下での安定動作も可能であるため、線検出器の候補材料となりうる。そこで本研究では線によってSiC検出器に誘起される電流を測定し、線量率計として使用できる可能性を検討した。線の線量率を0.1kGy/hから数kGy/hのとき、バイアス電圧が5 V以上では吸収線量と線誘起電流の間に良い直線性があり、傾きが約1であることがわかった。これは、SiC検出器が0.1kGy/hから数kGy/hの範囲で線量率計として使用できることを示している。
出来 真斗*; 牧野 高紘; 富田 卓朗*; 児島 一聡*; 大島 武
no journal, ,
耐放射線性炭化ケイ素(SiC)半導体デバイス開発の一環として、六方晶(4H)SiCエピタキシャル基板上に作製した金属-酸化膜-半導体(MOS)キャパシタのイオン照射誘起ゲート酸化膜破壊(SEGR)を評価した。イオンビームとしてNi-18 MeV, Kr-322 MeV, Xe-454 MeV, Os-490 MeVを用い、イオンビーム入射中にSiC MOSキャパシタへの印加電圧(蓄積方向)を徐々に増加させ、その際の酸化膜リーク電流を測定することで酸化膜の絶縁破壊電界(E)を調べた。その結果、SiC MOSキャパシタもシリコン(Si)MOSキャパシタと同様に、Eの逆数(1/E)が線エネルギー付与(LET)の増加とともに直線的に増加することが見いだされた。また、Si MOSキャパシタとSiC MOSキャパシタの1/EとLETの関係を比較すると、SiCにおける1/EとLET直線の傾きがSiよりも小さいことが判明した。これは、SiCはSiに比べ酸化膜の電界強度の増加に鈍感であり、SEGR耐性に優れている可能性を示唆する結果といえる。これまでSi MOSキャパシタのSEGRでは、酸化膜中でのイオン誘起電荷のみに注目しメカニズムが議論されており、同じ厚さの酸化膜であれば1/EとLETの関係は基板材料によらず同一であると考えられてきた。本結果より、基板材料の違いがMOSデバイスのSEGRに影響を与えることが明らかとなった。
迫間 昌俊*; 阿保 智*; 若家 富士男*; 牧野 高紘; 小野田 忍; 大島 武; 岩松 俊明*; 尾田 秀一*; 高井 幹夫*
no journal, ,
これまで、中エネルギーイオンプローブを用いてSOI(Silicon on Insulator)層での生成電荷量とソフトエラー発生の関係を明らかにしてきた。SOIデバイスでは動作領域がBOX(Buried Oxide)層で分離されているためにBOX層下での生成電荷はソフトエラーに影響がないと考えられてきたが、SOIデバイスへの高エネルギー粒子入射時にはBOX下で生成される電荷により動作領域の異常電流が増加するとの報告もある。そこでBOX下での生成電荷とソフトエラーとの関係を明らかにするため、SOI-SRAM(Static Random Access Memory)のBOX下まで到達し大量の電荷を生成する高エネルギー粒子を照射しソフトエラーを評価行った。実験ではサイクロトロン加速器で加速したAr150 MeV, N56 MeV, Kr322 MeVを用いた。するとN, Ar, Kr照射によるソフトエラー発生率が基板に微少電荷しか生成しないこれまでの中エネルギーイオンプローブを用いた結果と比較すると増加したため、基板での生成電荷やPTI(Partial Trench Isolation)やBOXなどの酸化膜での正孔捕獲が原因でソフトエラーが発生したと考えられる。
荒井 亮*; 梅田 享英*; 佐藤 嘉洋*; 岡本 光央*; 原田 信介*; 小杉 亮治*; 奥村 元*; 牧野 高紘; 大島 武
no journal, ,
MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタとして一般的に用いられない4H-SiC(000)C面にWet酸化法でゲート酸化膜を形成することで、一般的なSi面を上回る電子移動度が得られることが知られている。その理由としては、水素を界面に導入することで界面順位(Dit)が減少した結果だと考えられているが、水素の役割やDitの起源についてはまだよくわかっていない。そこで、電流検出電子スピン共鳴(EDMR)を使ってC面MOSトランジスタの界面欠陥の分光評価を行った。その結果、界面の炭素原子に由来するC面固有欠陥を検出することができた。加えて線照射によって意図的にC面固有欠陥からの水素離脱を引き起こしEDMRによってC面固有欠陥を観察した。その結果、C面固有欠陥のEDMR信号強度は、線の照射量に応じて増加した。そして約6MGy程度で飽和し、その後減少した。この照射量はSi-MOSトランジスタで行った同様の実験に比べ1桁高く、SiC-MOSトランジスタはSiに比べて高い放射線耐性を示したと言える。また、照射試料の電流電圧特性測定より、C面固有欠陥がMOSトランジスタのしきい値電圧シフトの一つの要因であることを示した。
牧野 高紘; 出来 真斗*; 藤田 奈津子; 岩本 直也; 小野田 忍; 大島 武
no journal, ,
高放射線場へのデバイス応用のためには、イオン照射効果の解明に加えて、線照射効果を含めた様々な放射線の複合照射効果を明らかにする必要がある。Siデバイスでは、線照射を行ったデバイスにおけるイオン照射効果に関して多くの研究がなされている。一方、SiC MOSデバイスに関して、線照射効果についてはこれまでいくつか報告されており、その高い線耐性を確認しているが、それらのイオン誘起破壊現象に関してはよくわかっていない点が多い。そこで、SiC MOS(Metal Oxide Semiconductor)キャパシタにおけるSEGR(Single Event Gate Rupture)のLET(Liner Energy Transfer)依存性の他に、それぞれのMOSキャパシタに対し線照射をしたうえでSEGR耐性評価を行った。その結果、MOSキャパシタへの照射量が60MRadまでの範囲では、容量電圧特性がわずかに変化するが、SEGRのLET依存性に関してはほとんど影響が見えないということがわかった。